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▲撮影:江隈麗志

Linked Horizonによる全国ツアー<Linked Horizon Live Tour 2017 『進撃の軌跡』>の東京公演が7月10日(月)、11日(火)に東京国際フォーラムにて行なわれた。

今回のツアーは国内30公演 アジア5公演と過去最大規模で7月8日の市原よりスタート。ツアータイトルにも据えられた最新アルバム『進撃の軌跡』はTVアニメ『進撃の巨人』の歴代主題歌5曲に加え、進撃の世界にフィーチャーした楽曲群で構成されており、ツアーの内容も従来のファンだけでなく『進撃の巨人』ファンが身ひとつで飛び込めるエンターテインメント性の高いステージとなった。

Linked Horizon(以下、LH)がこのツアーに際して『進撃』愛を爆発させている要素の一つに、コンサートの中で多用される「鎖地平団」という名称がある。『進撃の巨人』では主人公のエレンが調査兵団に入隊し、様々な兵団が絡む形で物語が進んでいくのだが、LHも『進撃』の世界に足を踏み入れるに際し2013年に「鎖地平団」を結成した。団長はLH主宰でもあるRevo、団員は関係諸氏とファン諸氏、という形で規模を広げつつある。

また、近年RevoがSound Horizonのコンサートでも使用しているシンクロライト・リストバンドが今回も各観客席に配布された。このシンクロライトが水面下で活躍している。LHはこのツアーのステージについて「割と敷居の低いツアーにしたい。皆さんが『進撃』をもっと好きになる、そんなコンサートにしていきたいと思っています」と語っており、それはアルバム同様『進撃』の時系列にほぼ倣ったセットリストの構成にも現れていた。

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▲撮影:江隈麗志

M1「二ヶ月後の君へ」から進んでいくセットリストは、M3「紅蓮の弓矢」で最初のピークを迎える。鎖地平団の装いでステージに立つRevoを中心に、厚みのある生バンドで音を届ける演奏陣、紅蓮に光るブレードを両手に携えたダンサーが4人、そしてバックスクリーンには一面に『進撃の巨人』アニメ1期前半の、エレン達と巨人との戦闘シーンが緊張感たっぷりに流れ、勇壮なライブパフォーマンスの中で観客席からは「イェーガー!」というあの声が一斉に沸き起こった。『進撃』アニメの兵団員たちが立体機動装置を駆使して躍動するまさにそのタイミングでダンサー達が宙高く舞い、手元のシンクロライトは紅蓮に明滅してスクリーンの燃え上がる市街と、こちら側とを明滅のリズムで繋げてくる。ただステージを見せるに留まらず、約5分強のパフォーマンスで見る者を『進撃の巨人』の世界に連れていこうとするLHの気概と絶妙な表現手腕がそこにはある。

ここまでくると、見ている側も気分はすっかり鎖地平団。紅蓮の光に会場中が包まれ熱気がたちのぼってくる中、曲終わりにステージ階段を上がったRevoはこちら側へ向け“心臓を捧げよ!”の姿勢をとる。鎖地平団の頼もしい随行役とトップのカリスマを兼ね備えた“団長Revo”を団員たちが見出す瞬間だ。曲が終わった後には観客席から興奮に満ちた歓声が溢れていた。

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▲撮影:佐藤祐介

ライブ後半では、「(アニメ『進撃の巨人』)後期の感じになっていきます」とガイドを進めながらRevoがフライングVを持ち、M8「自由の翼」へ。ここでは同曲がオープニングテーマとして採用されたアニメ14話以降のシーンからふんだんに映像が盛り込まれ、ステージ前ではRevoとギターのYUKIやベースの長谷川淳らが絡みのセッションで攻める。

そして、本編ラスト「心臓を捧げよ!」でLHステージの熱量はピークに。本公演でゲスト参加したホルンセクションの厚みも加わり、これまでにない荘厳さでの演奏が観客席からの“捧げよ”という掛け声に重なった。

「一人ずつが心臓を捧げたこの二時間半のこと、その熱量はきっと皆さんの中に残ると思います。だからこれから先、何かつらいことがあっても大丈夫。これからも心臓を捧げて『進撃』を応援していこうぜ! 僕達はまた絶対どこかで会える。言っとくけど君達はもう鎖地平団だぞ」── Revo

<Linked Horizon Live Tour 2017 『進撃の軌跡』>は今後、国内/アジア公演をあわせ12月まで進行していく。コンサート内ではLinked Horizon名義の過去曲や、Revoが同じく主宰するSound Horizonの楽曲なども日替わりで披露されていく予定だ。なお、ポニーキャニオンYouTubeチャンネルでは初日の市原市市民会館での模様も一部公開されている。